2005年07月14日

志村貴子「放浪息子」

放浪息子ガルシアの首さんに「TSUKASAさんなら嵌まるんじゃないかな」とお薦めされていた「放浪息子」を読んだんですがこれはおもしれー。漫画好きの皆さんにとっては何を今更なんでしょうが。1巻2巻は普通に面白かったんですけど話が大きく展開する3巻がもうベタ嵌まりで。っていうかガルシアさんに完全に見抜かれていますね。うーん、罪な作品を薦めてくれたものだ。そのわりに薦めてくれた当のご本人はしゃらくせえとのたまわれていたりするのだが(笑)。そのガルシアさんの感想はここ

んで、ええとね、自分はとりあえずトランスジェンダーの部分よりも、純粋に「子供と性」であるとか、あとは「子供が自分という存在が他者を傷つけることがあるということを知っていく過程」というか。両方とも大人になるということですけど。そういう話として楽しめました。そういう意味で3巻とかもうたまりませんでしたけど。だから「少年少女の思春期物語」といわれても、さほど違和感は感じなかったかな。

まあ確かに少年性が希薄だと言われればそうなんだけども、おれはむしろ「さくらの唄」のようないわゆる男くさい青春像のほうがファンタジーとして読めてしまうし(主人公の自意識の抱え方は圧倒的にリアルで怖いぐらいだったけど)、だからこそああいう青春像に憧れてしまったりもするんですよねー。まあ、人より繊細で傷つきやすいゆえに人と違う特別な僕、なんつー青い自意識過剰もまた思春期ならではなわけで。おれにもそんな恥ずかしい年齢があったことは否定できないわけでねえ。あと、ちなみにおれは何度か普通に夢精したことあります(普通に夢精ってなんだよ)。まあ精通は自力開通でしたけどね。ってなにを情報公開しているんだおれは。

ていうかトランスジェンダー云々の話は確かに(これだけ引きのいいテーマとして据えられていながら)現時点でまだまったく掘り下げられているように思えないので(だからこそ↑のように普通に「子供の成長物語」として読んでしまったわけで)、そこはまだ先を見てみないとわからないな。てか、そこはむしろどうでもよくなっているおれは読み方間違っているのでしょうか。どうしてもトランスジェンダーの話だと読めないんだけど。まあ、この続きぜんぜん知らんけど、4巻で修一くんもオナニーぐらいするでしょう。するはずだ。ていうか、しなきゃだめだっ(力説)。そこで次の展開だと思うんですよね。それがないと話進まないでしょう。んでもっとドロドロしていってほしいですね。期待。

で、こんなドロドロした話なのに全然重くないのがいいですね。これが榎本ナリコなら既にリストカットのひとつもしてると思うんですよ(って、おれは榎本ナリコ好きですけどね!それこそ「スカート」とか何回も読み返しちゃうぐらい大好きだし)。この人はこんなテーマなのになぜこんなにも小学6年生を小学6年生らしく描けてしまうのでしょう。そして出てくるキャラクターが脇役も含めてみんないい。子供も大人もそれぞれに魅力的だ。で、この漫画にベタ嵌まりしていることを告白している時点である程度自分の恥ずかしい内面を曝け出しているようなものだし、その上どのキャラにとりわけ感情移入しているか、なんつーことを開陳し出したりなんかしたらさらにその恥ずかしさがバレてしまうと思うのだが、おれは修一くんよりもむしろ、高槻さんにやられているのかもしれないと思った。あー恥ずかしい。

さて次はまこりんさんに薦められた「残酷な神が支配する」を読むのだ。萩尾望都は「恐るべき子供たち」しか読んだことないんですがそれ以上に濃いということで楽しみです。ていうか自分で自分をどんどん追い込んでいるような気がします。


posted by TSUKASA at 17:38| Comment(5) | TrackBack(1) | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
おお!「放浪息子」読まれたんですね〜。キャベツの葉を剥がすようにTSUKASAさんの嗜好が露わになっていくようで嬉しい限りです。
俺はやっぱり、野郎オンリーで空き地で腐った段ボール燃やしたり、裏山で腐ったエロ本拾ったり、変な溶液混ぜ合わせてナメクジ殺したりしながら小学生時代を送ってきた人間なので、この漫画の女子と一緒のやわっこいセカイにひたってる方がファンタジーに感じちゃったんですよ。修一って、明らかに女性側の想像の範囲内でしかない男の子像だと思うし。別にファンタジーだから良いんですけどね。
しかし夢精を体験してる人って案外に多いんだなぁ。これが「放浪息子」の感想書いてのいちばんの収穫でした。
あ、あと「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」の感想、すごい昔に書いたやつがあるので貼っておきます。もうちょっと内容紹介含めてかっちり書けばよかったなぁ。
http://d.hatena.ne.jp/headofgarcia/20030701
Posted by ガルシアの首 at 2005年07月14日 22:29
あとあれ、本書と全く同じテーマで上村一夫の「関東平野」(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4883157148/)っていうマンガがあるんですけど、これは「放浪息子」の50倍は俗っぽく泥臭くてオススメですね。アレ読むと、「放浪息子」がどれだけデオドラントされた世界なのかが如実にわかりますよ。
Posted by ガルシアの首 at 2005年07月15日 00:48
どもども。いやー、お恥ずかしいほど嵌まってしまいましたね。ガルシアさんなぜおれの嗜好を読めるんだぁっ、という感じで(笑)。まぁねえ、いわゆる男の子らしい少年性とか泥臭い青春像から弾かれてしまって所在なさを抱えている男の子というのも確実に存在するわけで・・・あいつらと一緒に悪さしたいなあ、とかね。そういう形の鬱屈もあるというのは認めてほしいかなぁ。そういう意味ですんなり思春期の甘酸っぱさを蘇らせてしまったりしたんですけどね。まあ、紙屋研究所さんの書いているように後ろ向きな懐古を投影しているのは間違いないです。っていうかおれが好きになる漫画ってそんなのばっかしだな。読んでブルーになるのわかってるのに読んじゃうようなの。

「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」も観なきゃならんですね。どんどん自分を追い込んで行きます。ストイックな夏になりそうです。
Posted by TSUKASA at 2005年07月15日 02:48
音楽ブログをやっていなかったら間違いなく漫画ブログをやっているであろう私が来ましたよ。
といっても「放浪息子」は1巻しか読んでないですが。続きが気になりつつ放置してますが、機会があったら読んでみますー。

少年性が希薄、というか少年を「純粋なもの」として捕らえてしまいがちなのは、ポップスにおける女性ボーカリストの「僕」一人称曲にもありますよね。まあこっちは、漫画より違和感ないですけれども。


TSUKASAさんがハマりそうな漫画…うーん。とよ田みのる「ラブロマ」とかの感想が聞きたいですねー。
Posted by はじ at 2005年07月18日 01:37
レス遅れてすみませ〜ん。HDDぶっ壊れてパソコンと格闘していました。ゼェゼェ。そういえば漫画レビューを別ブログでやるとおっしゃっていた気が。

少年を純粋の象徴と捉えている最たる象徴はマイケルでしょうね。大人が失った純粋さをもっているから少年が好きなんだ、ファオ!とかいつも言ってますし。ってそういう話じゃないですか。

えーと、「ラブロマ」はもう、おれ、全然駄目ッス。汚れているので。あれは眩しすぎます。高校の頃の付き合い思い返しても、なんかドロドロした暗いオーラが出てますから。
Posted by TSUKASA at 2005年07月21日 20:27
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Born A Girl
Excerpt:   放浪息子 (1)作者: 志村貴子出版社/メーカー: エンターブレイン発売日: 2003/07メディア: コミック 「コミックビーム」連載。女の子になりたい少年・二鳥修一と、男の子になりたい..
Weblog: やさぐれ日記暫定版
Tracked: 2005-07-14 17:56
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