2005年05月19日

The Beatles 「With The Beatles」

WITH THE BEATLES返す刀で2枚目もいっちゃおう。モノクロの、いわゆる「ハーフシャドウ」と呼ばれるジャケットが人気の2作目ですが、ジョンちょっと顔でかいよね、これ。まあいいんだけど。

さて、イギリスではファーストアルバム「Please Please Me」が30週といいますから約7ヶ月ですか、アルバムチャート1位を独走するなかリリースされたセカンドアルバム。んで本作が「Please〜」に取って代わって21週間連続1位を突っ走ったっていうから約1年間アルバムチャートの1位を独占したわけだ。もはや現実感がありません先生。

基本的に作風やノリは前作の延長線上なのだろうけど、全然前作の延長に感じない、というのは、単純に前作が1日で録音されたのに対して本作は4日かけて制作されたから。って、4日っていうのもそれでも凄いんだけど、既に人気加熱しまくりだった当時の彼らは、レコーディングする暇もないほど無茶苦茶なスケジュールで動いていたのだろうな。とまあそういうわけで、曲によってボーカルをダブルにしたりギターを重ねたり、パーカッションがオーバーダブされていたりすることもあって、前作のようにライヴハウスのノリをそのまま、というアルバムにはなっていない。

冒頭の「It Won't Be Long」は、どうしても「She Loves You」のプロトタイプな感じがしてしまってあんまり改めて聴かないのだけれど(や、これはこれでいい曲だけどね)、次の「All I've Got To Do」が大好き。曲自体は結構のっぺりとした曲なのだけども、ジョンのボーカルの色気成分というか、甘みというか、味わいがふくよか。「♪All I've gotta〜」とか「♪Just gotta call〜」の「〜ガラ」って響き、やっぱり好きだよね。桑田佳祐なんかこの「〜ガラ」を多用しまくっている。たった2分ちょいの曲なのに、聴き心地がふくよかで、何度もリピートしたくなる、というのはこの曲に限らずビートルズ全般に言える。

そして出ました名曲「All My Loving」!ポールの良メロ、4ビートのベース、3連を刻み続けるジョンのギター、ジョージのギターソロ、2番から入ってくるポールの一人多重コーラス、もう完璧でしょ。これをシングルカットしてない(する必要がない?)ってのが信じられない。で、次の記念すべきジョージの初オリジナル曲「Don't Bother Me」やジョンのハーモニカが暴れる「Little Child」あたりは、ごめんあんまり引っかかりがない・・・ってか、個人的にはオリジナルよりもカバーが印象強いです、このアルバム。

わけても、オリジナルのマーヴェレッツVer、後のカーペンターズによるカバーVerがともに全米1位を獲得した名曲「Please Mr. Postman」。前作収録の「Twist And Shout」と並び、二大"ビートルズオリジナルと誤認されている曲"ではないでしょうか。カーペンターズVerも好きだけど、このビートルズVer、冒頭ドラム一発→「ウェイ!」のカッコよさはやっぱり痺れる。ジョンのボーカルは溌剌と勢いがあってエネルギッシュだし、シンバル鳴りっ放しのドラムも良いです。もちろんコーラスワークも快調。4人(実際には3人だけど)がマイクに顔つき合わせて楽しそうに演奏している画が浮かんできて、ちょっと切なくもなるわな。

ほかにも名カバーだらけであります本作。ラテン調のバラード「Till There Was You」は、クラシックギターとボンゴを使ったアコースティックな演奏がムーディーで素晴らしい。で、ジョージがチャック・ベリーに成りきった「Roll Over Beethoven」は、自作の「Don't Bother Me」より俄然活き活きしてます。ギターソロ最高。そして本作のカバーのなかでも特に好きなのがスモーキー・ロビンソンの「You Really Got A Hold On Me」。ジョンの愛唱歌の一つだったようで、なるほど歌いっぷり最高。またこれ何故かボーカルとシンバルの音量が異様にでかくて、スローテンポでもまったりしないのがいいですな。ガレージっぽい。

それからジョージのリードボーカルをジョンとポールのコーラスが盛り立てる「Devil In Her Heart」もスウィートでポップな好テイク。ここでもシンバルがガシャガシャ鳴っている。最後はロックンロール・クラシック「Money」で、前作と同じくジョンのシャウトで〆。

というわけで、オリジナルはビートルズにしてはやや打率が低い気がするものの、カバーがいちいち素晴らしいセカンドアルバムでした。逆説的に、レコーディングアーティストでなく、ライヴバンドとしてのビートルズの、最も脂の乗っていた時期を封入したアルバム・・・ともいえるかも。
The Beatles 「With The Beatles」(1963)
1.It Won't Be Long 2.All I've Got to Do 3.All My Loving 4.Don't Bother Me 5.Little Child 6.Till There Was You 7.Please Mr. Postman 8.Roll over Beethoven 9.Hold Me Tight 10.You've Really Got a Hold on Me 11.I Wanna Be Your Man 12.Devil in Her Heart 13.Not a Second Time 14.Money (That's What I Want)


posted by TSUKASA at 20:37| Comment(0) | TrackBack(0) | CDレビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年05月13日

The Beatles 「Please Please Me」

PLEASE PLEASE MEこっちでは洋楽アルバムのレビューも書きたいな、と思って、何がいいかなぁって考えたらやっぱり最初はビートルズかな、と。こっちは本体のレビューよりかなり軽いノリで行きます。

最初にビートルズに出会ったのは中1のとき。もちろんそれまでも曲は耳にしていたんだけど―毎朝ポンキッキ(ポンキッキーズにあらず!)でかかってた「Please Please Me」とかね―、ちゃんとCD買ったのは中1のときが初めて。「赤盤」と「青盤」を買って、赤盤は「あ、これビートルズだったんだ」って曲が多いことに驚いた。青盤は「Strawberry Fields Forever」とか「A Day In The Life」の刺激的な実験精神にどっぷり持って行かれた。それから「Revolver」「Rubber Soul」あたりを買って、その次にこれ買ったのかな。まああっというまにオリジナルアルバムは全部揃えた。

ところで、もし見てたら中学生のみなさん、「Please Please Me」ってちゃんと訳せますか?ただ「Please」って2回繰り返してるだけじゃないですよ。

で、このファーストアルバム。データとかエピソードなんかは、ビートルズに関してはいくらでもネット上にテキストが転がっているんでいいでしょう。全14曲中、シングル「Love Me Do」と「Please Please Me」のAB面を除いた10曲をなんと1日っていうか、約10時間で一発録りしてしまったという本作。ま、オーバーダビングは当時したくても出来なかったんだけど(2トラックのデッキ使っていたんだもんな)。ジョージ・マーティンは、デビュー前のビートルズがライヴハウスで発していた熱気を、そのままこのファーストアルバムに封入したかったのだろうな。で、それは見事に成功している。

ってか、この時代の機材で、ただ単に一発録りしたからって簡単にライヴ感が出る、っていうわけにもいかないはずで、その辺はジョージ・マーティン及びアビイロードスタジオのマジックが早くも発動している気がする。

収録曲中6曲がカバー曲だけど、そんなこと関係なく全部見事にビートルズです。「Twist And Shout」なんかは、認知度でいったらそりゃもうほとんど「ビートルズの曲」として認知されていると思うし。良いバンドはカバーが上手い。定説です。

好きな曲は何曲もあるけど・・・まずは冒頭の「I Saw Her Standing There」が良すぎる。なんか「ポールはポップスでジョンはロック」みたいな見方があるけれども、ポールは紛うことなきロケンローラーですよ。こういうロケンロールな曲を歌ったら下手したらジョンより熱い。続く「Misery」のスウィートなメロディも良いですね。青春ポップ。その次の「Anna」がこれまた甘〜い。ジョンのボーカル最高。んで「Boys」で早くもお披露目となるリンゴの"朴訥ボーカル"。決して上手くないんだけど、どうしても捨てがたいものが。本作の中ではちょっと洒落た感じの(ラテン?)「Ask Me Why」、これがまたクオリティ高いですね。メロディ綺麗。A面最後にしてタイトル曲にして大ブレイク作「Please Please Me」は言わずもがな。「♪カモン カモン〜」の後追いコーラスの残響は、永遠に響いていきそうな錯覚に陥ってしまう。一生モノっす。

対してデビュー曲「Love Me Do」は、ちょっと曲の印象がもったりしててあんまり好きくないかな。勢いのある「Please〜」の後だと余計に、ちょっと(CDだと裏返す間がないからなあ)。んで「Love Me〜」のB面「P.S.I Love You」がまたすばらすぃ。フレーズの"部分だけコーラス"、「♪Treasure these few words〜」で一瞬泣きそうになるメロディ、そこから低音に落としたかと思ったら最後に感極まる「♪You You You〜」。うーん甘美。早くも只者じゃない感が漂ってますね。「Baby It's You」ではジョンのボーカルと「Sha la la la」コーラスを堪能。んでなんだか夕日が浮かんできそうな青春ポップ「There's A Place」を経て、ジョンのシャウトが最高すぎる、けたたましい「Twist And Shout」で〆、と。ポールのシャウトに始まりジョンのシャウトで終わるんだな、このアルバム。ここでのジョンは、40数年(!)の時を軽〜く飛び越えて、ぼくに向かってシャウトをかましてくれる。この曲に封入された熱気は全然古びない。

ビートルズのアルバムはなかなか順番付けるの難しいし、「Rubber Soul」以降とそれ以前でまた比べにくいんだけど、このアルバムなんかは特にほかのアルバムから独立した、このアルバムだけの魅力があって、結構トレイに乗せる回数は多いですね。余談だけど、「Let It Be...Naked」が出たときにさぁ、「裸のビートルズ」なんて宣伝文句が使われてたけど、個人的には裸のビートルズはこれ1枚あれば充分だな。まあそんなこんなで、大好きです。
The Beatles 「Please Please Me」(1963)
1.I Saw Her Standing There 2.Misery 3.Anna (Go to Him) 4.Chains 5.Boys 6.Ask Me Why 7.Please Please Me 8.Love Me Do 9.P.S. I Love You 10.Baby It's You 11.Do You Want to Know a Secret 12.Taste of Honey 13.There's a Place 14.Twist and Shout
posted by TSUKASA at 19:37| Comment(2) | TrackBack(0) | CDレビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年04月17日

ゲームの記憶:ファイナルファンタジーIII

ff3ファイナルファンタジーIII
1990・スクウェア・ファミリーコンピュータ

ファイナルファンタジーが、ドラクエと並んで国産RPGの二本柱としての地位を確立したのが、この「III」だろう。実際、シリーズ初のミリオンセラーになったし、発売日には売り切れが予想されたので、予約して買った。そう、予約しないと買えない時代があったんですよ、プレステ世代のみなさん。

作っては壊し、また作っては壊すスクラップ&ビルドがFFの真骨頂だが、前作の「熟練度システム」を早々に破棄しての本作のウリは「ジョブシステム(転職)」。ジョブ(職業)という概念自体は「ウィザードリィ」や初代FFからとっくにお馴染みだし、転職システムにしても二年前の「ドラクエIII」ですっかりコンシューマ・ユーザーたちに浸透していたものだが、「ドラクエIII」の転職が、「レベル20にならないと転職できない」「レベルが1に戻る」などのリスキーな条件を伴うものだったのに対して、本作のシステムはいつでも、どこでも、レベルが減ったりすることなく転職できる。好みや状況に応じてジョブを使い分けられるわけだ。ストーリーが進行し、クリスタルを1つ発見するたびに使えるジョブが増えていくのが嬉しかったものだ。

このジョブシステムを生かすために、ストーリーの中で、「小人にならないと入れないために、全員魔導師系にならないと戦えないダンジョン」や「竜騎士にならないと倒せないボス」「暗黒剣士でないと倒せない敵ばかりが出てくる洞窟」などが登場。これらのイベントでは、普段使っていないジョブを使わないといけないために装備品が足りなくなったりして、多少うざったくもあった。また(これは後の「V」でのジョブシステムを経験したから、"いま思えば"という話だが)、異なるジョブの間には継承性や互換性がなく、決まったジョブを使い続けてもいろいろなジョブを使い分けても結局ジョブチェンジするとそのジョブの特性しか享受できないので、最終的には4人のキャラクターが特定のジョブに固定されてしまう、ということにもなった。その辺りの不満点を全て解決したのが、のちの「V」でのジョブシステムだったわけだ。

同じくジョブシステム重視の「V」がそうであるように、ストーリーや世界観は、「II」の悲しく暗いムードとはうって変わって明るめ。やはりストーリーの要所要所において人がよく死ぬのは「II」や「IV」と同じだが、基本的にはとある村のやんちゃな若者4人衆の冒険が、世界を救う戦いに繋がる冒険活劇風。世界は滅ぼされようとしているのに、4人の掛け合いのような台詞回しはどこか呑気で微笑ましいものだった。また、すっかりFFのウリの一つになった飛空艇が3台登場したのも子供心にワクワクした。特に、2代目の飛空艇「ノーチラス」が登場したときの高速スクロールにはぶったまげたものだ。それから、初めて浮遊大陸を飛び出し、眼前に果てしない大海原が広がったときのあの衝撃!それまで旅していた大陸が、世界のほんの一部にすぎなかったという驚きは忘れられない。

それから音楽にも触れないわけにはいかないだろう。たった3音の電子音しか鳴らないPSG音源のファミコンで、ここまで出来るのか、という驚き。ファミコン時代最後のFFに相応しい出来だ。初プレイ時、フィールドで流れるメインテーマ「悠久の風」の美しさに感動し、ゲームを進めるのをしばし中断して曲に聴き入っていたものだ。そして、いくらゲーム音楽が注目されるようになったといっても、せいぜい一つのゲームで使用される曲数は10数曲程度だった当時にあって、本作のサントラに収録された曲数は44。ダンジョンによってそれぞれ専用の曲を用意するなど、場面場面に合わせた楽曲によって演出効果を高める先駆となったのは、この「FFIII」ではないだろうか。

さて、前述したようにファイナルファンタジーが大メジャーRPGとしての道を歩き始めたのが本作。確かに作品全体のムードとして、前作までにあったマイナー臭はすっかり抜けている。ゲームバランスも前2作ほど凶悪ではないし、進行やシステムにおける破綻もほとんど見られない。メジャーとしての貫禄、安定感がここでは漂っている。しかし、そこはファミコン時代のFF。なりを潜めていたかに思えた凶悪なFF、ヒールとしてのFFが、最後の最後、そう、FFIIIの話題となるとほぼ100%登場する「ラストダンジョン」にて、牙をむいて襲い掛かってくるのだァァーッ!(ドギャーン)

「FFII」で全国のよい子のみんなを絶望のどん底に叩き落した長大なラストダンジョンが、本作では更にスケールアップして登場。「クリスタルタワー」「闇の世界」という2つのダンジョンを、やはりノーセーブでクリアしなければならない。しかも、最後にセーブできるポイントと外界のあいだには、これまた複雑で面倒な構造の「古代の民の迷宮」が存在するため、実質3つのダンジョンをアイテム無補給で、ということになる。いや、さらには「クリスタルタワー」の中に、究極の武器防具や最強のジョブ「忍者」「賢者」がゲットできる「禁断の地エウレカ」(これまた深くて長い)への入り口もあるのだ!無論出てくる敵は最強級。この、3つのダンジョンを攻略しなければならないうえに外界へ戻るためには「古代の民の迷宮」を通らなければならないという構造は、ドス黒い悪意に満ち満ちているね!

エンディングを見るためにクリアしなければならない「クリスタルタワー」+「闇の世界」の道程は、ゆうに1時間を越える。しかもその間には、5回もの超強力ボスとの戦闘(+ザンデ戦での長いイベント)があるのだ!特に「2ヘッドドラゴン」の反則的な攻撃力に泣かされ、ともすればファミコンを殴りつけた人も多いのではないだろうか。で、データ飛んだりして。シャレにならん。ラスボスに辿り付くころにはキャラもプレイヤーも心身ともにボロボロだよ!それであっさり「はどうほう」で全滅させられた時は、幼くして鬱病になりかけました。もちろん死んだらそこで終わり。ドラクエみたいに、経験値だけは残るなんてこともないし。全てが水泡に帰す。このシビアさ。出自からして反骨精神と実験精神に満ち満ちていたファミコン時代のファイナルファンタジーは、最後の最後までその牙を尖らせ続けていたのだ。
posted by TSUKASA at 16:31| Comment(0) | TrackBack(0) | ゲーム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年04月10日

ゲームの記憶:ファイナルファンタジーII

ff1ファイナルファンタジーII
1988・スクウェア・ファミリーコンピュータ

ファイナルファンタジーの名をゲームキッズに広く知らしめた出世作。売上ではまだドラクエに遠く及ばなかったものの、知名度はこの「II」で一気に上げた。がしかし、前作に引き続き、というか前作にも増して、やっぱりよいこのプレイヤーのみんなには凶悪極まりないと思われる難易度(ゲームバランス)。ドラクエが「家庭に一本」的な親しみやすさとスタンダード性で広く支持されたのに対し、ファミコン時代のファイナルファンタジーは、アバンギャルドといっていいほどの難易度やシステムを有し、ある種「音を上げる軟弱者は帰れ!」とつっぱねるような硬派さを有していた。王道に対する覇道。ベビーフェイスに対するヒール。白と黒。そんなイメージすら喚起される。いま思うと、こんなプレイヤーを突き放すような作品をリリースしながら、ファイナルファンタジーがドラクエと肩を並べるまでの支持を集めるようになったというのが不思議だ。どんな面持ちで本作をプレイしていたのか、当時の子供達に問うてみたい。っておれか、当時の子供って。終盤で敵が強くなりすぎてほっぽり出したのは覚えてるんだけど。クリアしたのは、やっぱり高校に上がってからでしたかね。

さて本作では、当時濫造されるRPGにおいて、誰も疑問を持つことのない当然の「前提」として採用されていた「経験値」と「レベル」のシステムを撤廃。うーん、アバンギャルド!敵を武器で攻撃すれば力や武器の威力が、魔法を使用すれば魔力や魔法の威力、MPが、敵からダメージを受ければHPが上昇する・・・といった「熟練度システム」が売りだった。が、これが漫然とゲームを進めていると、出てくる敵の強さの上昇に自分のレベルアップが全く追いつかなくなる現象を生み出す代物。いとも簡単にゲームバランスは崩壊する。「ドラクエIII」でいうと、いつのまにかレベル10でサマンオサに放り込まれていた、みたいな事態に平気で陥るのであります。

そこで重宝したのが「パーティーアタック」。味方を攻撃することによっても熟練度やHPが上がることを利用して、敵そっちのけで小一時間、味方同士傷つけあう異様な光景が、日本全国のテレビのブラウン管の中で繰り広げられたのでした。勢いあまってマリアを斬り殺しちゃったことも幾度となくあったけど、それも今やいい思い出だね!

演出やシナリオに目をやれば、「ドラマのFF」「映画的なFF」の原点がここにある。本作は、自キャラクターの名前入力後、何の説明もなくいきなり戦闘シーンが開始!現れたくろきし×4にボコボコにされて全滅するところから始まる。うーん、アバンギャルド!せっかちな人は勝たなきゃいけないと勘違いして、リセットしまくって挙句ここでほっぽり出したりしなかったんでしょうか。という配慮も丁寧に掬い上げ、ゆえに王道を歩んだのが当時のドラクエでありましたが、FFはんなこと関係なし!に突き進む。当時はこのオープニングが実に新鮮に感じたことを覚えている。

反乱軍とパラメキア帝国の戦争を描いたこのドラマでは、とにかく人が死にまくる!泣かせどころはほとんど全部人が死ぬことによって演出。しかも、自分で操作する4人目のパーティーキャラクターとして、入れ代わり立ち代わり参加するキャラクターが逐一死んでいくのだからたまったもんではない。子供心に「こんなに豪快に人を死なせまくってしまっていいものか」と思ったものだが、「人が死ぬFF」というイメージはFFIVまで引き継がれることとなった。

キャラクター達の死を乗り越え、崩壊するゲームバランスと戦い、最後に待っているのがこれもまたファイナルファンタジーの定番となった「長大なラストダンジョン」。一度の戦闘で全滅寸前になるほどの強力な敵が次々襲い掛かり、回復アイテムが尽きる恐怖とも戦いながら、ラスボスまで軽く40〜50分はかかりそうな道程をセーブポイントなしで完遂しなければならないこのラストダンジョンは、まさに子供相手とは思えぬ容赦のなさ。凶悪!やっとの思いでラスボスまでたどり着きながら、「いんせき」であっさり全滅させられたときの絶望感は、当時の小学生達がはじめて味わう人生の苦杯だったかも知れない。悪意すら感じるよ!ここで最後の最後に投げ出したプレイヤーも多かったのではないでしょうか。

もう一つ本作で思い出深いのは音楽。ゲーム音楽というものを意識するようになったのは「ドラゴンクエスト」からだったけど、より強くのめりこむきっかけになったのは本作の「メインテーマ」の美しさと「戦闘シーン」のおどろおどろしさだった。ドラマチックかつ、全編を通してどこか悲しさが覆う本作の世界を彩るに相応しい佳曲揃いだ。

PS版のリメイクは、音楽のリアレンジ以外はリメイクとして特に文句のない出来だったけど、ゲームバランスが大きく弄られたのだろう、ずいぶん「ヌルく」なっているように感じた。懐かしさによる「やり直し」とか、プレステ世代がプレイする分にはこれぐらいで丁度いいのかもしれないけれど、どこか寂しくも感じたのでした。ドラマチックで美しい物語の背後に潜んだ、なかばぶっ壊れたパンキッシュなまでのアバンギャルド精神。それこそが本作のキモではなかったか、と今更ながらにして思う次第。
posted by TSUKASA at 17:08| Comment(0) | TrackBack(0) | ゲーム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年04月07日

ゲームの記憶:ファイナルファンタジー

ff1ファイナルファンタジー
1987・スクウェア・ファミリーコンピュータ

記念すべきファイナルファンタジーシリーズの1作目。当時、制作したゲームの業績が芳しくなく、プロデューサーの坂口博信氏が「これが最後の夢だ」と銘打ったのが、この作品。今でこそ説明不要な日本RPG界の巨星となったこのタイトルですが、少なくともこの1作目の発売当時は、同年に発売された「ドラゴンクエストII」による空前のRPGブームによって雨後の筍のごとく濫造されていた多数のRPGの中の一本という印象でした。いや、話逸れるけどあのRPGブーム―というかドラクエブームか―はほんとに雨後の筍という表現がぴったりだった。それまでアクションやシューティングが主流だったコンシューマゲーム市場が、猫も杓子もRPGになってしまったのだから。

さて、そんな状況下で発売された本作、当時の私は華麗にスルー。2ヶ月後には「ドラクエIII」の発売が控えていたし、たしか本作が発売された頃は「桃太郎伝説」をやっていた。さくまさん&どいんの「ジャンプ放送局」コンビが作ったあれだ。っていうか、たぶん発売当時はファイナルファンタジーのファの字も知らんかった気がする。リアルタイムで買ったのは「II」からで、確かその後にプレイしたはずだ。な、の、だが。

ドラクエ、桃伝といったジャンプイズム溢れる少年向RPGに慣らされていた当時小学校低学年の自分には、本作の世界はあまりにもビターで硬派だった。クリアせずに物語中盤で挫折。エンディングを見たのは、10年弱経過して高校生になってからだった。ちょうど、コーヒーにミルク入れなくなった頃、だったか。シリアスでどこか馴れ合いを拒むような硬派さに満ちた世界観やグラフィック、そして効果がやたら細分化されまくってて、これまたとっつきづらい魔法に、まだまだ小便臭かったガキんちょの私は見事弾かれた。シナリオに寺田憲史、アートデザインに天野喜孝、プログラムにナーシャ・ジベリを起用。ドラクエブーム、RPGブームの流れに乗りながらも、ドラクエに牙を向かんとする気骨が密かに、静かに燃えている。なればこそこの「ファイナルファンタジー」は、その命名の思惑を幸福にも外れ、「最後の夢」にはならなかった、のではないでしょうか。

PSのリメイク版は未プレイです。
posted by TSUKASA at 19:23| Comment(0) | TrackBack(0) | ゲーム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年03月31日

サッカー:W杯最終予選 日本×バーレーン

見事なシュートを自軍ゴール右隅に突き刺してしまったサルミーン選手にはお気の毒だが、なんとか勝った!よかった!

しかし、予選は勝ちさえすればそれでいいものの、全く得点の匂いのしない攻撃、怖さのない攻撃にはちょっとがっかり。とにかく遅い。ボールを持ちすぎ、こねすぎ、パス回しすぎ、というシーンが散見されたのは、まあいつものことですが。なんとかならんもんでしょうか。昨日はアレックスと加地くんの両サイドが良かった。特に加地くんは、これが加地くんかと(!)目を見張るクロスを数本上げてましたしね。

ヨーロッパ予選ではフランス、スペイン、デンマークといったところが苦戦しています。まだ1度しかW杯予選を勝ち抜いたことのない日本が、W杯予選で苦しい戦いを強いられているのは当然かもしれません。

これでW杯予選は6月までお休み。6月はコンフェデ、ワールドユースもありますね。
posted by TSUKASA at 21:24| Comment(0) | TrackBack(0) | スポーツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年03月26日

サッカー:W杯最終予選 イラン×日本

あーなんで負けたんだー。いや、最終予選6戦の中では最も“負けていい試合”ではあったんだけども、2点目を入れられるまでは、流れとしては悪くないもので、最低引き分け、あわよくば勝てるかも?という感じだったので、ちょっと勿体無いし、悔しいですね。

12万人アウェイ、中田英の久々の代表復帰、それに伴うシステムの変更(3-5-2→4-4-2)、三都主の不在など、戦前から苦戦が予想される要素が多かった中で、昨日の試合はわりと上手くいっていたほうではないでしょうか。1-1までは想定の範囲内だった。先取点を取られても、日本ペースの時間帯もあったので、追いつける予感は十分あったし、実際追いついたし。後半開始から、2点目を取られる直前までは、日本にいい流れが来ていたと思います。だけに、あの2失点目が痛かった。完全にハシェミアンがフリーになってしまいましたね…。時間帯も取られ方も最悪でした。そこからはもう意気消沈してしまった感じで、追いつける匂いはしませんでしたね。小野が下がってからはもう完全に流れが向こうに戻ってしまいました。

4-4-2自体はさほど問題なかったのでは。4-4-2なら4-4-2なりに、それなりにこなしていたように見えました。ただ、個の力において劣勢な上に、組織の面でも不慣れな4-4-2に気を遣って戦わなければならなかったという点では、わずかにマイナスに働いたかもしれない。その“わずか”が明暗を分ける相手ですからね。まあ、3-5-2でも勝てたかどうか。昨日の試合に関しては言っても詮無いことかなあと。

それよりやはり、昨日は個の力で負けた印象ですね。マハダビキアとカリミにいいようにやられてしまった。あの2人とハシェミアンを個の力で止めるのはやはり日本のDFにとっては骨の折れることです。それと中村俊輔が徹底的に潰されてしまいましたね。逆に加地のオーバーラップに関してはわりとルーズだった印象。研究されたのかなあ。的確に押さえるところを押さえ込まれてしまった感じです。だけに、そんな中でも1-1まで持ってきただけに、返す返すも勿体ないです。ちくしょー。

常々「勝ってるチームはいじるな」と言ってきたジーコが、敢えていじって負けた1戦。どうも後に引きずりそうな負け方なのが心配ですが、次のバーレーン戦こそ「絶対に負けられない戦い」です。システムはどうするんでしょうか。修正の猶予は5日しかありません。


さて、その日本戦に引き続いて放送されたお隣さんの試合、サウジ×韓国。日本以外のW杯予選を地上波で放送する日がくるとはねぇ。一応テレ朝グッジョブと言っておこう。んで。韓国も0-2で負けてしまいました(驚)。いや、韓国はサウジにあまり相性良くないとか、ここのところアウェイに弱すぎる(モルジブやレバノンに引き分け、オマーンに負けなど)といった一抹の不安要素はあったものの、最近のサウジもサウジなだけに(アジアカップ、ガルフカップをともにグループリーグ敗退)、悪くて引き分けだろうと思っていたのですが。しかし昨日見たサウジは強かった。韓国がここまで完敗したのは久しぶりに見ましたよ。サウジはこれで復活といけるでしょうか。

まあ、隣のグループのことを気にしてる場合じゃない。バーレーン、北朝鮮とのアウェイという不確定要素たんまりの試合が残っているだけに心配です。とにかく30日の試合。祈るしかない…。
posted by TSUKASA at 17:31| Comment(0) | TrackBack(0) | スポーツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年02月10日

サッカー:W杯最終予選 日本×北朝鮮

これがワールドカップ予選ですね。8年前に味わった、背筋が凍るような感覚が久々に蘇ってきました。やる前から勝ち点を計算できる試合など一つもない。「普通にやれば負ける相手ではない」といっても、普通に事が運ばないのがワールドカップ予選。だからこの引き分けという結果にも、無念さこそあれ驚きはありませんでした…

とか書こうと思ってたら勝っちゃった。わははは。去年からこんな試合ばっかりだなジーコジャパン!一体なんなんでしょうか!?引き分け・負け濃厚の試合を土壇場で引っくり返した試合をざっと並べるとこんなにある。
2003.4.16 vs韓国      1-0 90分・永井ゴール
2004.2.18 vsオマーン    1-0 93分・久保ゴール
2004.3.31 vsシンガポール 2-1 81分・藤田ゴール
2004.7.31 vsヨルダン    1-1 PK0-2から逆転して4-3
2004.8.3  vsバーレーン  4-3 2-3から90分・中澤同点ゴール
2005.2.9  vs北朝鮮     2-1 92分大黒ゴール
どうでしょう、このキャプテン翼かよとツッコミたくなる展開の数々(笑)。そのままジャンプあたりに連載できるぞという。私の中でジーコジャパンは「漫画サッカー」もしくは「劇画サッカー」と命名いたしました。アジアカップで慣らされたのか、昨日も残り5分を切っても不思議と「まだ5分以上ある」と思って見てましたねぇ。

まあしかし、試合内容やチーム育成の方針には釈然としないものが残りつつも、ドイツは来年。もうこのまま突き進むしかない!突き進めジーコジャパン!ビバ漫画サッカー!


んでワイドショーをはじめマスコミは今回と同じように次のイラン戦も盛り上げろよ、ボケども。
posted by TSUKASA at 21:34| Comment(0) | TrackBack(0) | スポーツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。